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〜 ROA_17 〜

第17章 占師・豚の頭を持つ者が王統断絶にかかわる命を助け、羅刹夫婦を退治した 

 再び大木のもとに行き、剣で斬り付けました。

  「ラマはルドゥプ・ニンボ

   私は王子・デチューサンボ

   網は鉄九眼

   索は幻のイヤリング

   剣は鋭く岩を割る

   ツァンパ団子はいくら食べても尽きないぞ

   屍鬼よ、下りてこねば大木を切るぞ」

と言うと、屍鬼は下りて来ました。それを棒で叩き、網の中に入れ、索で縛り、背負いました。7歩ほど歩いたところで屍鬼が

「王子よ、道は遠い。何かお話でもしろよ、でなければ私が話をするぞ」

と言いました。もう慣れているので何も喋らず歩いていると

「御機嫌ななめの王子の口から、言葉は出ないようだ。私が話をするから聞きなさい」

と言って、語りはじめました。

 ある大きな国に7人兄弟の王がいました。また別の荒野に1、2戸の家がありました。そこに、聡明な妻と、何の話もせず黙って、帯も締めずに門に腰掛けている夫がいました。彼はある時、外に出かけて、遊牧民が移り住んだ跡から見つけた四角のトゥーを、カラスがくわえて飛んで来た時、そのトゥーが彼のいる所に落ちていました。彼はその四角のトゥーを持って帰り、妻に言いました。

「男は寝てる暇はない。三叉路のあたりに散歩に行って、この四角のトゥーを見つけたからだ」

 妻は言いました。

「『寝てる暇はない。男が寝たら矢は当らない。矢が当らねば敵はますます頭をもたげる。女が寝れば糸巻きの柄を取り落とす。糸巻きの柄を取り落としたら、衣服はぼろぼろ。衣服がぼろになったら、老犬が怒る』と言われているので男である夫が散歩などすれば、福徳が栄え、財産も増える」

と言うと、彼は妻に言いました。

「私のためにお前は良馬と忠犬を準備せよ」

 言われるとおりに準備すると、彼は衣装を纏い、犬を連れ、馬に乗り出かけました。

 荒野にいたると、牝狐が歩いているのが見え

「財産というものは、細かいものから積まなねばいけない」

と考えて、その犬を馬の前を行かせ、牝狐を追わせました。その犬は速すぎて、牝狐は巣穴に入りました。巣穴のところに至るや彼は、馬を降り、犬を馬の轡に繋ぎ、衣服を脱いで蔵の前輪と後輪に縛り、白い帽子で狐の巣穴を塞ぎ、大きな石を取って、巣を掘りました。すると、狐は逃げ、犬は駈け、馬も犬に引きずられ、彼は素っ裸でとり残されました。彼は

(何もなく故郷に帰れば、恥をかく)

と考え、峠をよじ登りました。峠の頂に至り見ると、大きな宮殿があるのが見えました。そこで峠を下ると、天気が悪くなり、外に人はいなくなり、誰も通らない場所で横になりました。王の娘が、散歩に出かけて帰って行く途中、彼のもとを通りました。娘は首に王の大きな「ラユ(魂のトルコ石)」を付けていましたが、その紐が擦り切れました。それを彼が見ていると、牝牛がトルコ石の上に糞をしました。そのまま寝ていると、侍女がやって来て、糞を取り上げて、壁に叩き付けました。翌朝陽が昇ると、王の家にいる人たちを集め

「昨夜、紐が擦り切れて、王の娘のラユがなくなった。属民の男がこれを見つけたら、最高の大臣の地位を与えよう。女が見つけたら、最高の王妃の地位を与えよう」

と触れを出しました。

 彼はそこに出かけ

「人々をここに集めて何をしているのか?」

と訊ねました。すると王の大臣の1人が彼のもとにやって来て

(この者はたぶん神通力を持っているだろう)

と考え

「王の娘の首から外れたトルコ石を探しているのだ」

と言いました。すると彼は

「私が必要だという品々を並べれば、私の神通力で探してしんぜよう」

と言いました。

「どんな品物が必要だ」

と問うと

「皮紐をつけた豚の頭を1つ、新品の上等な衣服を1着、帽子と靴なども持って来なさい。神通力で探してしんぜよう」

と答えたので、その大臣は急いで王のもとに行き

「衣服を身に付けていない瘋狂人に、ラユを見つけ出す神通力があるようです」

と申し上げ、「必要だ」と言われたものなどを持って行きました。彼は衣服を着て靴を履き、豚の頭を手に持ち、群集の中に入り、いちいち豚の頭を向けながら、「ここにあるか?ここにあるか?」と言いながらやって来るので、まだ豚の頭を向けられていない者たちは、だれに責めを負うのかと考え、恐れました。全ての人に豚の頭を向け終わるや、それを、トルコ石のある糞に向け、「ここにある」と言い糞の中を探り、トルコ石を見つけました。

 彼は王の宮殿に招かれて、十分なもてなしを受けました。

「褒美になにが欲しい?」

と問われると

「私には大きな捧げものが必要ですが、できますか?」

「貴方の神通力によって、私たちのラユを見つけることができたのですから、過度な求めでなければ、お望みのものはもちろん差し上げます」

「では、鞍置き馬と、その上にひとそろいの衣装と刀槍弓矢を乗せ、その馬の轡に犬を結わえて下さい。そして肩甲骨の上に白い帽子を載せた牝狐が先を行き(?de'i khar wa mo'i sog pa'i steng du zhwa dkar rgyang de sngon la 'gro ba /)、その後を馬と犬が行く---そのようにしたいです」

と答えると、王は喜んで、彼を十分にもてなして、牝狐を捕まえに行かせました。牝狐の上に白い帽子を被せ、首に皮紐を結んだ牝狐、鞍置き馬、刀槍弓矢など含め、彼の言ったとおりに準備したので、彼は喜びました。王は彼を「無碍なる神通を示す豚の頭を持つもの(パクゴチェン)」と名付けました。それ以降、彼に神通力の名声があらわれました。何人かの大臣たちが、品物とともに、彼を妻のところに送りました。

 門前に至ると、彼の馬と犬も帰っていました。妻も自分の夫が帰ってきた喜びで、彼を家の中に導き入れたばかりでなく、ここまで送りとどけてくれた者たちにも十分な食事を出しました。そこで妻が訊ねました。

「鬼に連れて行かれたかと思い法要と占いをたくさんしました。これらの品物はどうしたのですか?」

彼が、先の事情を詳しく話した後

「これらは、王のラユを見つけた褒美です。たいそうなものでしょう?」

と言いました。すると妻は

「私達の馬と犬、これらの品物が得られた上に、あなたも帰ってこれたのはたいそうなことです。でも、ラユほどのものを見つけた褒美としては小さすぎます。手紙を出さねばならないわ」

と言いました。彼女は王に、彼のふりをして

「先日、王にたいへんな障害に見舞われ、ラユを失いました。ラユを探すのに必要なものと褒美を下さるようお願いしました。ラユを探すために必要なものと褒美をお願いしました。今、私にラユに見合う品物をお願いいたします」

という手紙を出しました。これを受け、王と大臣たちは協議した結果

「彼は正しい。ラユほどのものを見つけた褒美として、あれだけで不十分とどうしてできよう」

とおっしゃって、彼等夫婦が貧困と離れられるほどの金銀銅鉄などの財宝、馬羊などの家畜を送り届けました。

 さて、たくさんの峠を越えたところに、7人兄弟が政治を行っている国がありました。彼等は妃を迎える年頃でしたが、どれだけ探しても、ぴったりの人を見つけられません。そんな時、羅刹の国の王が

「チベットのあの国は、7兄弟によって栄えている。ますます栄えれば、我等に戦いを仕掛けてくるやもしれん。そのまえにやっつけに行こう」

と言いました。そして

「兵を出しても勝てるかどうか分からぬ。だから策を用いてやっつけようと思うのだが、誰を遣わせばいいだろう」

と言うと、配下の羅刹たちは「年嵩の羅刹夫婦が行きます」と答え、チベットをやっつけるために彼等2人を送りました。羅刹が褐色の角の無いヤクに化け、たくさんの金・トルコ石・銅・鉄を乗せました。羅刹女は光り輝く美しい娘に化け、チベットにやって来ました。

 かの王の門前に至るや、羅刹女は王の城の側で金銀などの商売をしていました。「商品が豊富で美しさを備えた娘が、王の城の側にいる」という名声が広まり、やがて王の耳にも届きました。王は宮殿の最上階から見物しました。彼女は如意宝珠などの装飾品で着飾って、商売をしています。王は心を奪われて、彼女の自出を訊ねるために人を遣りました。彼女は

「私はインド東方の王族出身です。故郷を離れ、商売をしに来ました。そろそろ帰ります」

と答え、それを王に報告すると、王は喜び

「王族出身であるなら、我等が妃に不足はない。上がって来なさい」

と言いました。中に呼び、彼女を妃としました。

 2年ほどして、王は重病にかかり、死にました。そうして彼女が他の兄弟の者たちの妃をしている間、末弟を除いて皆順に死にました。美しい上に、作る食事やチャンが美味しく、よく世話をしてくれるので、彼女を見捨てることはできません。占いをした結果、人々が「彼女は王の妃に適していないようだ」と言うので、とりあえず城の隅に小屋を建て、彼女はそこから看病に向かうという生活を送りました。そうしているうちに、王の病はひどくなりました。そこで大臣たちが協議し、「ここから何日かした所に『占師・神通無碍・豚の頭を持つもの』と言う人がいるので、彼を迎えに行けばよい」と言いました。上級の大臣3人が多くの家来とともに、彼を探し出し、迎えるために行きました。

 一行が彼の家の門に至ると、彼は訊ねました。

「何のためにいらっしゃったのですか?」

彼等は事情を詳しく話し

「大占師よ、あなたをお迎えに参りました」

と言うので、妻のもとに行き

「昨年は運良く目的を達したが、今度は恥をかく」

と言いました。妻は

「今回行かなければ、これらの人や馬が残って、これ以上ないほどの恥をかくので、行った方がいい。前のように、きっとうまくいくから、びびって震えぬよう、性根を据えなさい。もし王の病が治ったら、近所の人がいないので、機を貸してくれる人もいない。だから機を得て来てください」

と言って、大臣一行といっしょに送り出しました。

 王の宮殿に至ると、小部屋で王の枕元に座り、できるだけはでにトルマを作り、以前使った豚の頭をそのトルマに置き、その顔を枕元に向け、ラクシャの実の数珠を慌ただしく擦りながら座っていました。

 その時、かの妃が中に入って来て、神通力を持つ者を見るや、恐怖心が沸き起こり、何度も濾したチャンをすすめ

「大王様の御病気が回復されますよう、お任せします」

と言い、出て行きました。

 その夜、王もすこしばかり楽になりました。王が

「神通力を持つ者がお越しになって、私のこの病は癒えた」

と言ったので、占師は

「癒えた様子を示しているのは、死期が迫っているからだろう」

と思い、恐怖心が沸き起こり、夜中(逃げよう)と考え、トルマに置いた豚の頭を取り、王の馬場に行くと、馬飼いの口笛が響き渡って逃げ場がありません。羊を囲っている場所に行っても、外に出ることができませんでした。牛を囲っている広い場所があるので、そこに行くと牛たちが横になっています。門のところには、角の無い褐色のヤクが横たわっていて、脇を通ろうにもあいていません。越えて行くと、ヤクが急に起き上がり、占師は転びました。占師が怒り、そのヤクを殴ると、ヤクは慌てて門を開けて逃げて行きました。

(獣に門を開けることができたのはどうしてか?)

と思い、急いで見に行くと、門を開けたのはあの妃で、ヤクは何と梯子を登っているではないですか。占師が聞き耳を立てていると、妃は

「どうしたの?」

と言いました。ヤクは

「神通力を持つ者が気付いて、私を探しにやって来た。どこに隠れても石で背中を殴られた。逃げる場所も見つからず、殺されるところでした」

と言いました。すると妃は恐れ

「では、どうしたらいいでしょう?」

と言いました。そこでヤクは

「ここにいても、もういい死に方はできないないだろうから、逃げた方がよくないだろうか?」

と言いました。

「神通力を持つあの者は、不思議な力を持っているから、逃げても助からないわ。次のような死に方をすることになるでしょう。明日陽が昇ると、領民たちに道具を持たせて、谷の奥に木を切りに行かせます。『このヤクに鞍を置け』と言って神通力を持つ者はヤクに乗り、鞭打ちながら谷を行ったり来たりさせるでしょう。木を切り出し運ばせて、下流の平原に着くと、『護摩を焚こう』と言うでしょう。そしてそこに木を積み上げ、私たち2人を縛り、火で焼くでしょう」

妃がそう言うと、2人は互いに抱き合いながら

「羅刹の王によってこの国に遣わされた私達2人は、運が悪い」

と泣いていました。

 占師はラクシャの実の数珠で王の頭を撫でて

「王よ、御機嫌はいかがですか?」

と訊ねました。すると王は

「ラマがお越しになって痛みは無くなり、身体も楽になった」

と答えました。夜明け頃、妃は何度も濾したチャンを瓶子いっぱいに入れ勧め、占師に1度五体投地礼をして

「王の御機嫌はいかがですか?」

と訊ねました。占師は

「王の病は大変危険な鬼によるものですから、護摩を焚かねばなりません。バターや油、食物など、護摩に焼べるものをすべて、よく準備してください」

と言いました。彼女は王のもとに行き

「昨晩はお身体楽になりましたか?」

と訊ねると、王は

「ラマがお越しになって、楽になった。ラマのおっしゃった物などを急ぎ集めよ」

と、使いを遣りました。彼女は恐怖心が起こり、部屋から外に出ました。

 夜が明けて、上級の大臣たちと、国の長老たちが集まって

「占師・豚の頭を持つ者がやって来てから、王の具合はどうなっただろうか?」

と考え、互いに話をしながら、召し使いを通じて

「お目通りはできるでしょうか?」

と申し上げました。王が

「たいへん良くなった、目通りしてもいいかどうかは占師にお伺いせよ」

と言うので、ラマは

「鬼を追い払ったので、具合は良くなりました。彼等を中に呼びなさい」

と言い、彼等は中に入って来ました。

 小部屋の戸を閉め、占師は

「王よ、本当に回復したいとお望みか?」

と訊ねました。「もちろんだ」と王が答えると、占師は

「では申しましょう。あのお妃とその夫は、羅刹の国からこの国の王統を断つべく遣わされた者ですから、この2人を火で焼けば、王統も途絶えることなく、国は栄え広がるでしょう。王よ、あなたにできますか?」

と訊ねました。王は

「あの妃は私の兄弟たちの妻であったので、焼き殺すのは可哀想だ」

と言い

「夫を焼くだけでもいいと思うのだが、夫というのはどこにいるのだ?」

と訊ねると

「夫は、彼女と一緒にやって来た、角の無いヤクです。私は2人とも焼くべきだと思います」

と答えました。そこで大臣たちが

「ラマは神通力をお持ちです。ラマのおっしゃることを聞いて、2人とも焼くのがよろしかろう」

と言うので、王もラマの命に背かぬようにと、そのようにすることを受け入れました。そして彼等は、誰も口外してはならないと約束しました。

 その翌日、領民たちは、護摩を焚くのに必要な木を切りに谷の奥に行きました。占師も

「ヤクに鞍を置け、私も行く」

と言って、ブタの頭を先に付けた杖を手に持って、ラクシャの実の数珠を持ち、ヤクに乗って行きました。皆慌ただしく木を切っている時、占師が

「皆疲れたであろう。ヤクの鞍を外せ。こいつの手に斧を渡して木を切らせろ。こいつは門を開け、梯子を登ることができたのだから、木を切るなんてたやすいことだ」

と言いました。斧を手に渡して、木を切らせると、皆信じました。木を切った後、それらをヤクに載み、宮殿に向かいました。

 大臣たちに命じて木の四角の家を建てさせ、占師は王のもとに行きました。そこには妃が何とか占師が王によって翻意させられるように願いながらそこにいました。占師が

「護摩の竈が準備できました。お妃は油と食物など護摩に焼べるものを準備し終わっているでようから、いますぐお持ちください」

と言と、妃は蔵に行き、油と食物など護摩に焼べるものを持って来ました。

 そこで王は

「占師よ、何か方策を講じれば、この妃を置いておくことができるか」

と訊ねました。占師は

「外の本尊・守護尊の邪魔を、彼女の夫がしました。あなたの兄弟たちを、彼女は食べました。あなたも私が来なければ、食べられていたでしょう。王よ、屋上から御覧になってください」

と申し上げ、宮殿を下りて行きました。人々の中でも力の強い男たちが、羅刹夫婦を捕え、きつく縛って

「おまえら、正体をあらわせ」

と言い、頭から足の先まで身体のあらゆる所を棒で殴るので、女は

「恥ずかしくても、本当の姿を見せたほうがいい。辛いことは短い方がいい」

と言いました。ヤクは、杭ほどの牙をむき出した2つの頭を持つ姿に変わりました。縛めをさらにきつくすると、彼女も杭ほどの牙を立て、乳房を肩にかけている姿に変わりました。木の家に火を付けて、彼等2人を放り込むと、羅刹女は

「羅刹の王によって、私たち2人はこれほどの苦しい目にあわされた」

と、大声で泣叫びました。ありのままの姿があらわれたので人々は、彼等が羅刹であったことを信じました。バターや油などを頭の上からかけると、一瞬にして彼等2人は燃え尽きました。

 王と大臣たちは皆、占師を礼拝しました。王は言いました。

「ラマよ、あなたは何の捧げものが必要でしょうか、お決めください。あなたより恩ある方はいませんから、我々の領内にあるもの、蔵にあるものなら何でも、必要ならば差し上げます」

そこで占師は

「機の縦糸12本と鼻輪を合わせ13のものが必要だ」

と言いました。

「それはたやすいこと」

と、王は織物を捧げました。それ以外にコートの裾が長いものや短いもの、帽子、赤い緞子で作ったチョッキなどの品物を何駄も捧げました。そして供の者を付けて、占師を送り出しました。王と大臣たちも、3、4パクツェーのところまで見送りました。

 妻のもとに帰ると、妻は出迎え

「王の病は癒えましたか?」

と訊ねました。すると夫は

「癒えました。おまえの目的も達したぞ」

と答えました。

 その夜、妻は供の者たちに丁重に飲食の接待をして

「この12本の機の縦糸は、12代にわたって王統が栄え広がる印です。鼻輪を合わせ13の品が得られたのは、あなたがた13人が来た印です。王がお決めになった賜品をできるだけ下されますことを、王にお任せいたします」

という手紙を供の者たちに託しました。供の者たちが帰り着き、王にラマの手紙が捧げられると、王と大臣たちは

「もっともなこと」

と協議して、宝珠をはじめとする重要な宝物、金銀銅鉄、馬、牛、水牛はもちろん、土地や衣服も与えました。

 そう屍鬼が語ると、王子の口から

「その者は運がよい上に、妻が彼を助けている」

という言葉が漏れました。

「屍鬼に対して、鷹のようになんと素早い返事だ」

と言って、その屍鬼は逃げて行きました。王子は

「べらべら喋る彼に対し、心が散漫な私は答えてしまった。屍鬼がなく帰れば、ラマの教えに違うことになる」

そう考え、また墓場に向かいました。

翻訳:yungdrung
初版:2004/7/7

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