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[ro sgrung] の変更点


 [[チベット文学茶房]] >> [[ro sgrung]]~
 
 &size(16){&color(blue){''ro sgrung'':「死体の物語」の世界を読む};};~
 
 #contents
 
 *ro sgrungとは? [#o6d5f5ad]
 &tib(12,blue){ro sgrung}; (ro sgrung, ロドゥン)とは、そのまま訳せば「死体の物語」。
 
 と言うと気味悪い話を想像しがちですが、そんなことはありません。
 
 ある若者が、世界の皆を幸せにするため、上半身は金、下半身はトルコ石という神通力を持った死体を捕えよ、ただし死体を捕えた後は脇目もふらず一言もしゃべらず帰ってこい、という師の命令を遂行する。若者は師の命を遂行しようと努力し、死体を捕えるが、帰還途中、ついおしゃべりな死体の語る物語に対して口をすべらせて(感想を述べて)しまい、逃がしてしまう。この失敗を何度も繰り返すが、ついには任務を達成する。これが物語の大枠。物語の大部分を占めるのが、死体の語る部分。若者に捕えられるたびに、異なった物語を語るのですが、それが、聞き手がつい口をすべらせてしまうほど面白い話というわけです。
 
 このタイプの話には、インドの「ヴェーターラの25話(Vetālapañcaviṃśati)」((これには和訳があります。ソーマデーヴァ『屍鬼二十五話:インド伝奇集』(東洋文庫323) 、上村勝彦訳、平凡社、1978年。))があり、ro sgrungもそれをもとにしたといわれていますが、詳しいことはわかりません。
 
 -中国語訳本『僵屍鬼的故事』(p4)では「下半身は金の、上半身はトルコ石の」(順序はそのまま)となってます。
 
 [[ro sgrung notes]]
 *テキスト一覧 [#i63c1f23]
 テキストに通し番号としてA,B,Cをつけました。テキストを参照するコードとして,ROA版,ROB版などとしてはどうかと考え,そのようにしました。(B)のところをクリックすると,ROB版の目次に行きます。ROB版の序章の訳をざっとつけてみたのを公開しました。(H)(J)もタイトルのみアップしました。
 **中国出版活字本 [#e599c123]
 |COLOR(BLUE):[[(A)>ROA_contents]]|COLOR(BLUE):'''ro sgrung.(扉書名:dpal mgon 'phags pa klu sgrub kyis mdzad pa'i ro langs gser 'gyur gyi chos sgrung nyer gcig pa rgyas par phye ba.)''' (『屍語故事』 西蔵人民出版社(拉薩)、1980年、275p)|
 |~|21の話から構成される。その「後記(mjug byang)」によると、西蔵自治区档案局(bod rang skyong ljongs yig tshags las khungs)所蔵の写本をもとにしたこと、前後錯簡や理解困難な箇所、誤字等については編者がわずかに改訂を加えたことが記されている。|
 |~|2000年には、活字を組み直した第2版が出版されている。|
 |~|全名は「成就者故事・如意喚雨」([[『中国蔵学書目(1949-1991)』:http://ichhan.hp.infoseek.co.jp/list/tibetc3.html#catalogue_tibetan_studies_1949-1991]] p187より)|
 //||[[第1章 乞食の息子・ダワ・タクパに王子・デチョー・サンポと名付ける>ROA_01]](試訳)|
 //||[[第13章 悪いル(ナーガ)の口から逃れ、王位を得る>ROA_13]](試訳)|
 |COLOR(BLUE):[[(B)>ROB_contents]]|COLOR(BLUE):'''mi ro rtse sgrung.'''(『説不完的故事』 青海民族出版社蔵文編輯室(整理)、青海民族出版社(西寧)、1994年、214 p。初版は青海人民出版社蔵文編訳部(bod yig rtsom sgrig pu'u)(整理)、青海人民出版社(西寧)、1963、197p)|
 |~|序章+24章=25の話から構成される。チベット語奥付によれば編輯責任者(dpe sgrig 'gan 'khur ba)としてsgrol ma skyid。初版は1963年8月。これが1980年に再版され,さらに上記の1994年に新たな版が出版された。1978年版もあるらしい。小学校の教科書に「1978年版から」として一話分引用されていた。|
 |~|原本等については不明。西蔵人民出版社本と比較するに、かなり編集の手が入っているこなれた感じの文章=読みやすい。|
 **インド出版本 [#mec8433e]
 |COLOR(BLUE):(C)|COLOR(BLUE):'''slob dpon klu sgrub snying po dang; rgyal po bde spyod bzang po gnyis kyis mdzad pa'i ro dngos grub can gyi sgrung ngo mtshar rmad du byung ba'i gtam rgyud ces bya ba le'u bcu gsum dang; de'i 'phror bla thabs su bsnan pa 'ga' shas bcas ro dngos grub can gyi sgrung rkang drug yid 'phrog ces bya ba le'u nyer bdun du yod pa sdebs gcig tu bkod pa.''' Delhi : K.S. Tulku, 1968, 320pp.|
 |~|ウチェン体手書き冊子本。27話を収録。|
 |~|基本的には「十三章本」のタイプで,序章+十三章に,他の話を付け加えたもののようである。p.123参照。|
 |COLOR(BLUE):[[(D)>ROD_contents]]|COLOR(BLUE):'''ro dngos grub can gyi sgrung mkhas pa dang skye bo rnams kyi rna ba'i bcud len phun tshogs bde gter: a manuscript collection of twenty-four Tibetan vetala stories.''' New Delhi: Ngawang Sopa, 1976, 93pp.|
 |~|ウメー体写本の影印。十三章本。序章,第一話を見た限りではROBと同じタイプ。[[tbrc data:http://www.tbrc.org/cgi-bin/tbrcdatx?do=so&resource=W23193]]|
 |COLOR(BLUE):[[(E)>ROE_contents]]|COLOR(BLUE):'''ro dngos grub can gyi sgrung: a manuscript collection of thirty-seven Tibetan vetala stories.''' Bir, H.P.: Kandro, 1975. 126pp.|
 |~|ウメー体写本の影印、序章+37話を収録。[[tbrc data:http://www.tbrc.org/cgi-bin/tbrcdatx?do=so&resource=W23194]]|
 |COLOR(BLUE):(F)|COLOR(BLUE):'''ro dngos grub can gyi gtam rgyud: Tibetan fairy tales of the Vetala.''' Ma-su-ri : Ta Bla-ma Rnam-rgyal-rdo-rje, 1964. 292pp.|
 |~|活字本。ROCと同じ?|
 |COLOR(BLUE):(G)|COLOR(BLUE):'''ro dnos grub can gyi sgrung ngo mtshar rmad du byung ba'i gtam rgyud le'u nyer bdun pa.''' n.d..|
 |~|Poti形式。340fols. ウチェン体写本の影印。冒頭と末尾がROCと同じなので同内容か。|
 |COLOR(BLUE):[[(H)>ROH_contents]]|COLOR(BLUE):'''slob dpon klu sgrub dang rgyal bu bde byed bzang pos mdzad pa'i ro dgnos grub can gyi sgrung ngo mtshar rmad byung zhes bya ba.''' Kalimpong, Tibet Mirror Press, 1964, 112pp.|
 |~|ウチェン体手書き冊子本。序章+13話を収録。「十三章本」のタイプ。|
 |~|タルチンによる奥付に,十六章からなる写本を持っており,これをもとに印刷しようと考えていたが,人に貸したら返って来ず,マクドナルドが十三章からなる写本を貸してくれたのでこれをもとに印刷したとある。|
 **その他 [#p77976cf]
 |COLOR(BLUE):(I)|COLOR(BLUE):'''Tibetan and Mongolian Tales of Vetala.''' (Corpus Scriptorum Mongolorum Tome 1), Ulan Bator: Instituti Linguae et Litterarum Academiae Scientiarum Republicae Populi Mongoli, 1962.|
 |~|チベット=モンゴル対照本。未見。このシリーズの書誌情報の一部は[[こちら:http://ichhan.hp.infoseek.co.jp/list/tibety.html#corpus]]。|
 |COLOR(BLUE):[[(J)>ROJ_contents]]|COLOR(BLUE):Macdonald, A. W.,  '''Materiaux pour l'etude de la litterature populaire tibetaine.''' 2 vols. Paris, 1967(vol.I); 1971(vol.II).|
 |~|3つの写本とその翻訳を収録。vol.IIは未見。|
 |~|「二十一章本」のタイプ。|
 |COLOR(BLUE):(K)|COLOR(BLUE):Francke, A. H.,  "Die Geschichiten des toten No rup can, eine Tibetische Form des Vet?={a}lapa?~{n}cavi?d{m}?'{s}atik?={a} aus Purig", '''Zeitschrift der Deutschen Morgenl?ndischen Gesellschaft,''' 75, 1921, pp.72-96.|
 |~|ラダックの西プリク地方に伝わる写本より、3話のテキスト(ローマ字転写)およびドイツ語訳注。プリク方言で書かれている?ので少々難解。|
 *連画本 [#xe9464b7]
 -1.青海民族出版社から出版されているチベ=漢対照の連画本。手のひらサイズ。中国活字本(B)(青海版ro sgrung/[[ROB_contents]])の各物語をそれぞれ一話ずつ収録している。
 //|BGCOLOR(YELLOW): ''連画本''|BGCOLOR(YELLOW): 青海民族出版社から出版されているチベ=漢対照の連画本。|
 |COLOR(BLUE):(1)|COLOR(BLUE):'''bde spyod bzang po dang sgyu ma mkhan spun bdun.''' mtsho sngon mi rigs dpe skrun khang, 1995.(『徳覚桑布和魔術師七兄弟』青海民族出版社、1995年)|
 |~|セルチェー(gSal byed)という貧乏な若者が、幻術師七兄弟の弟子となるが、雑用にこき使われるだけで、ちっとも術を教えくれない。ある日、セルチェーのもとを訪ねた弟のトンドゥプ(Don grub)は、夜中に幻術師たちの術を盗み見た後、兄を伴って逃亡する。これに気づいた幻術師たちは、自分たちの飯の種である術が盗まれたことに恐れを抱き、トンドゥプを亡き者にしようと計る...[nang don ngo sprod(内容簡介)より]|
 |COLOR(BLUE):(2)|COLOR(BLUE):'''phu nu drug.''' mtsho sngon mi rigs dpe skrun khang, 1995.(『六兄弟』青海民族出版社、1995年)|
 |~|狩人、鍛冶屋、大工、画家、医者、占い師の息子が、義兄弟の契りを結んだ後、それぞれ旅に出かけた。狩人の息子は、女神イトー・ラモほどに美しい娘に恋し、結婚し、言葉に言い表せぬほどの幸せに暮らしていた。ところが、その国の欲深い乱暴な王が、彼を殺し、その妻を奪った。そのことを知った他の5人の義兄弟のうち医者の息子は、狩人の息子を蘇らせた。蘇った狩人の息子は、鍛冶屋と大工、画家の息子が作った木製の鳥を操り、王の手から愛する妻を取り返した。[nang don ngo sprod(内容簡介)より]|
 |COLOR(BLUE):(3)|COLOR(BLUE):'''dran gsal.''' mtsho sngon mi rigs dpe skrun khang, 1996.(『占賽』青海民族出版社、1996年)|
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 |COLOR(BLUE):(4)|COLOR(BLUE):'''shing bzo kun dga'.''' mtsho sngon mi rigs dpe skrun khang, 1996.(『木匠更?』青海民族出版社、1996年)|
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 |COLOR(BLUE):(5)|COLOR(BLUE):'''gser g-yu skyug pa''' mtsho sngon mi rigs dpe skrun khang, 1998.(『吐金玉』青海民族出版社、1998年)|
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 |COLOR(BLUE):(6)|COLOR(BLUE):'''drin lan 'jal''' mtsho sngon mi rigs dpe skrun khang, 1998.(『報恩』青海民族出版社、1998年)|
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 -2.甘粛民族出版社から出版されているチベ=漢対照の連画本。手のひらサイズ。
 mi ro rtse sgrung(dang po)(bod rgya shan sbyar)(『説不完的故事(蔵漢対照)』 張正義(改編)、光紹天(絵画)、甘粛民族出版社(蘭州)、1985年(1版1次)/1990年(3次)、138p)
 --第1選編(全3冊)のこの本には次の4篇の故事がある(1.don grub dang ro dngos sgrub can(頓珠与神奇的屍体) 2.spun zla drug(六兄弟) 3.gser mo mtsho dang dngul mo mtsho(金花和銀花) *中国語訳本『僵屍鬼的故事』の第4話(薩爾姆措和阿姆措)か? 4.phu nu gnyis(兄弟倆))。
 --内容説明に『説不完的故事』の一部分の故事を改編した連環画(奥付には「根据王堯同名故事」)とあるのでROBに手をいれたものと思われます。
 
 *翻訳 ・収集[#t04c54d9]
 **中国語訳 [#pe8c713e]
 -COLOR(BLUE):『説不完的故事:西蔵民間伝説』 王堯(編訳)、通俗読物出版社(北京)、1956、68p 
 --原名は「屍語故事」。文言本と拉薩口語本両種版本を編訳したものという。
 -COLOR(BLUE):『説不完的故事(蔵族民間故事)』 山木旦(整理)、王堯(訳)、青海人民出版社(西寧)、1962(1961?)、143p
 -COLOR(BLUE):『屍語故事』 班貢白■(巾偏に白)巴・魯珠(著)、李朝群(訳)、西蔵人民出版社(拉薩)、1983、173p
 --西蔵自治区档案館所蔵の手抄本の訳。個別の詞句は整理せず(原中国語は”不順”)、誤植などは改め、注釈を加えてあり。"乞丐達瓦札巴獲得王子徳訣桑布称号"(参考:[[ROA_01]]),"姑娘従死域救回国王","王子変狗尋妃記"など21篇の故事。「屍語故事」5種のチベット語版本目録対照表と訳者跋がついている。チベット語訳は"魯珠",中国語訳では"竜樹"。(この項は『中国蔵学書目(1949-1991)』(p187より))
 -COLOR(BLUE):『屍語故事』 王松・和建華(編訳)、雲南民族出版社、1999 
 -COLOR(BLUE):『屍語故事』 王暁松・和建華(編訳)、雲南民族出版社、1999 
 -COLOR(BLUE):『僵屍鬼的故事』(説不完的故事・蔵族系列) 達多(訳)、金一(絵)、民族出版社(北京)、2004、126p
 --ROBの翻訳(故事的開始+24章)。章名:1.六兄弟 2.闡塞 3.木匠貢■(口偏に葛:ただし匂ではない) 4.薩爾姆措和阿姆措 5.口吐珍宝 6.農夫和悪君 7.知恩図報 8.両兄弟 9.富人行窃 10.鳥衣王子 11.窮漢和竜女 12.■牛救牧人(牛偏に毛) 13.猪頭卦師 14.薩珍姑娘 15.牛頭勇士 16.往生奪舎 17.青蛙和公主 18.■黙的姑娘(水(サンズイ)に冗) 19.不説■的牧馬人(言(ゴンベン)に荒) 20.小牧童 21.石獅子吐宝 22.莽漢三兄弟 23.救心姑娘 24.三個賢公主
 --原注(p21)によれば薩爾姆措・阿姆措はチベット語音訳で「金湖」・「銀湖」、その意味は「金花」・「銀花」とあまりちがいがないとのこと。 
 **英語本 [#pe8c713e]
 -COLOR(BLUE):『Folk Tales of Ladakh』(ed.Veena Mehta,India Book House Education Trust,Bombay) *この物語のみコピーをもっていて、書誌情報は不明。
 --pp32-38に"Serbal and Yubal"(gser sbal(金(色の)・蛙)とgyu sbal(トルコ石(色の)・蛙))の話あり。(参考:[[ROB_05]])
 
 **和訳 [#hce178c9]
 公刊されているものとしては下記がある。
 -COLOR(BLUE):湯山明「チベットのヴェーターラ物語」『四天王寺』319、1967年、pp.36-41。
 --テキスト・その他(H)の序章の抄訳と第1章の全訳。
 **本webサイトで読める和訳の一覧 [#p94356d1]
 いずれも未公刊の試訳。公刊については鋭意検討中。
 
 -チベット(ラサ)版/[[ROA_contents]] (訳:[[yungdrung]])
 --[[ROA_01]] 第1章 乞食の息子・ダワ・タクパに王子・デチョー・サンポと名付ける
 --[[ROA_13]] 第13章 悪いル(ナーガ)の口から逃れ、王位を得る
 --[[ROA_17]] 第17章 占師・豚の頭を持つ者が王統断絶にかかわる命を助け、羅刹夫婦を退治した
 
 -青海(アムド)版/[[ROB_contents]] (訳:[[chime]])
 --[[ROB_00]] 序章 魔術師七兄弟に追われた若者がルドゥプ先生に救われる
 --[[ROB_05]] 第5話 金とトルコ石を吐く
 --[[ROB_18]] 第18話 口を利かない娘
 --[[ROB_23]] 第23話 心臓をつかむ娘 

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